人工芝の防炎認定はどう決まる?安心できる人工芝を選ぶための基礎知識
人工芝の機能には「抗菌」「静電気防止」「遮熱」などありますが、「防炎」もその1つです。
防炎機能が付くだけで安心できるイメージがありますよね。
しかし、人工芝の防炎機能とはどういうことか?どう認定されるのか?ご存じない方がほとんどだと思います。
防炎商品の使用が義務付けられている場所もあるくらい大事な「防炎」について、人工芝専門店の店長が分かりやすく解説します。人工芝の購入やdiyを検討されている方は、是非、安心できる人工芝選びにお役立てください。
人工芝は燃えないわけではない
まず、防炎とは「燃えにくい」性質のことです。
万が一、バーベキューやたばこなどの火が人工芝に落ちたり炎が触れたとしても、その部分の芝が焦げたり焼けるだけで人工芝全体に燃え広がらないということです。決して「燃えない」わけではありません。
そして、燃え広がらないための基準を具体的に設け、公益財団法人日本防炎協会が行う試験(防炎性能確認等試験)をクリアした商品が防炎商品です。
いくら難燃性の加工がされている人工芝でも、防炎瀬能試験に合格しなければ防炎商品とはいえません。
つまり、防炎性能試験に合格しているかどうかは、安心できる人工芝選びの指標の1つになります。
人工芝での燃え広がり方を比較しました
人工芝にバーナーの火をあてています。
防炎認定されていない人工芝 |
防炎認定されている当店の芝丈40mmの人工芝 |
防炎認定されていない人工芝は、着火した後に燃え広がります。
防炎認定されている人工芝は、着火した後に燃え広がることはありません。
※当店にて試した結果です。公益財団法人日本防炎協会が行う試験とは異なります。
燃え広がりを防ぐために、消防法で指定された場所(例:不特定多数の人が出入りする屋内の建築物など)では、防炎商品の使用が義務付けられています。
人工芝は、防炎規制対象の商品である「じゅうたん等」に分類されるため、消防法で使用が義務付けられている場所では防炎商品の人工芝を使用しなければいけないのです。
※自宅の庭や屋上は消防法で使用が義務付けられている場所ではありません。
防炎商品の使用を義務づけられている場所は、詳しくは消防庁もしくは日本防炎協会のホームページをご覧ください。
人工芝が防炎性能試験に合格する基準
公益財団法人日本防炎協会が行うテスト(防炎性能確認等試験)とは、人工芝の場合どのようなテストを行うのでしょうか。
残炎時間の試験
残炎時間とは、人工芝にバーナーの炎を接し、人工芝に着炎してから炎を上げて燃える状態が終わるまでの時間です。
人工芝の基準は20秒以下と設けられていますが、その時間が短いほど防炎性能が良い人工芝と言えます。
炭化長の試験
人工芝が着炎してから燃える状態が終わるまでの時間内に人工芝が炭化した(黒く焦げた)長さです。
炭化した人工芝の縦方向・横方向のあらゆる方向の中で最大の長さが10cm以下と設けられています。
この長さが短いほど防炎性能が良い人工芝と言えます。
以上の2つの試験に合格した人工芝が、防炎性能を有する人工芝です。
防炎表示(ラベル)の義務
日本防炎協会が行う試験に合格した人工芝が防炎性能を有する人工芝となるわけですが、人工芝が本当にそれに該当するかは、見て分かるものではくてはいけません。
なぜなら、防炎商品の使用を義務付けれらている場所には、消防機関の立ち入り検査時はもちろん、人工芝を購入された方や人工芝を施工する業者が防炎商品だと判別できなければいけないからです。
その目印が「防炎ラベル」で、防炎性能がある人工芝の証です。
さらに、防炎ラベルを付すためには、消防庁長官の登録を受けた人(業者)でなければいけません。誰でもが防炎ラベルを付与できるものではないのです。
つまり、防炎認定の人工芝の証となるのは、
- 人工芝が防炎試験に合格しているか
- 防炎ラベルを付すことができるか
- 防炎ラベルを付することができる消防庁長官の登録を受けた人・業者
この条件が揃って初めて防炎認定の人工芝となります。
当店は、輸入販売業者(人工芝を輸入し、それを防炎物品として販売する)登録があり、防炎ラベル(材料ラベル)を付することができます。
防炎(材料ラベル)の参考資料
防炎人工芝ふわふわターフ
当店の人工芝ふわふわターフは、芝丈30mmのハイエンドタイプと芝丈40mmのエクセレントタイプが防炎商品です。
(※芝丈20mmのスタンダードタイプは難燃性ですが防炎商品ではありません)
芝丈30mmと40mmは防炎ラベル(材料ラベル)を発行することができます。
ラベルをご希望の方は、人工芝ご注文の際に当店までご連絡お願いします。人工芝をお届けの際に一緒にラベルもお届けします。
大前提は火気厳禁
いくら防炎商品とはいえ、大前提は人工芝は火気厳禁です。
人工芝での花火やバーベキューなど火気が発生する行為はご注意ください。どうしても人工芝の上でバーベキューをするのであれば、耐火シートや防火シートを活用ください。
最後になりますが、防炎商品の使用は義務付けられていない自宅の庭や屋上のdiyにも、防炎や難燃性の人工芝を選んだり、防炎商品を販売できる業者を選ぶことが安心に繋がるかもしれませんね。