人工芝の間違った「虫」知識
「人工芝を敷くと虫が湧く」は大間違い!
人工芝を庭やベランダにdiyしたら、アリやワラジムシ、ムカデ…他の虫の死骸も見るようになった。
人工芝が虫を寄せ付けているの?
このように、「人工芝は敷くと虫が湧くのがデメリット」と思われている方、実は少なくありません。
それなりのお値段もかかり、せっかく施工した人工芝に虫がわいてしまうなんて…と残念に感じてしまいますね。
しかし結論から申し上げますと、 「人工芝が虫の直接的な原因になることはない」のです。
天然芝と違って人工芝は、ポリエチレンなどプラスチックの素材でできているので虫のエサにはなり得ません。
ではなぜ、「人工芝を敷いて虫が湧いてしまった」という声が上がるのか?
この記事では、「どうしたら虫が湧いてしまうのか」について解説していきます。
正しく知ったうえで、効果的な対策をしましょう。
人工芝に虫が湧いてしまう理由
そもそも、「防虫・殺虫効果のある人工芝」はなぜ販売されていないのか?
先に解説いたします。
例えば人工芝に防虫剤などを染み込ませて使用しても、効果の持続が短いのです。
たとえ防虫剤を染み込ませたとしても、人工芝の耐用年数(当店の「ふわふわターフ」なら8年間)もの間防虫剤を消費し続けるのは費用も掛かり体にもやさしくありません。
「きれい」で「安全」な人工芝を提供しているからこそ、「防虫・殺虫効果のある人工芝」は開発されないのです。
しかし原因をしっかり知っていればそんな人工芝も不要になります。
それでは、ひとつずつ解説していきます。
【原因その① 施工前、下地の整地が甘かった】
人工芝を施工する際、庭の雑草や小石は綺麗に除去しても「落ち葉」や「枯れ葉」をほったらかしにしている方が多くいらっしゃいます。
「落ち葉」や「枯れ葉」も虫にとってのご馳走になりますし、最終的に腐敗し「腐葉土」となり虫にとって最高の環境に。
もうひとつ、「地面がデコボコのまま施工してしまう」ことも虫が湧いてしまう原因になります。
その凹凸の隙間から虫が入り込むケースや、雨水が溜まって湿気を好む虫が住み着くことも。
【原因その② そもそもの地盤が虫にとって最高の土】
施工場所のお庭が初めから虫の生息しやすい環境だった場合です。
ガーデニングや畑をしている家庭に多く、この場合は「もとから虫は少なくなかった」ということがほとんどです。
人工芝そのものに防虫効果はありませんので、虫の好む土の上に「直に」人工芝を敷いてしまうと虫からしたら何も環境が変わらず、そのまま住み着いてしまいます。
人工芝のジョイント部分の「つなぎ目」や水を通すための人工芝の穴「透水穴」から雑草が顔を出し、その雑草をエサにしている虫が寄ってくることもあります。
【原因その③ 水はけ対策をしていなかった】
水はけの対策をせずに人工芝を敷いてしまうと、ジメジメした湿気の多い場所を好む虫が住み着いてしまいます。
蒸れてカビが生え不衛生になり、特に嫌な害虫が来てしまうことも。
【原因その④ 掃除をしていなかった】
人工芝はローメンテナンスで済むのがウリではありますが、完全にほったらかしにしてしまうと人工芝の上に「落ち葉」や「ほこり」、雨風で流れてきた「土」「泥」が積もってしまいます。
何度も言うように落ち葉は虫のエサになります。さらに人工芝の上に積もった土や泥に雑草の種子が落ち、発芽してしまうことも。
【原因⑤ 近くに植木鉢やプランターがある】
植木鉢やプランターの中の土は、植物が元気でいれる温度と湿度、栄養も適度にあります。
これは植物だけでなく虫にとっても最適な環境です。
土だけでなく花弁や茎からも栄養を吸収できますし、産卵にも向いています。
鉢植えやプランターで生活していた虫が、人工芝にもついている ということはよくあるケースです。
以上5つが、人工芝に虫が来てしまう状況になります。
それについての対策
虫がわく理由がわかったら、あとはそれに合わせた対策をするのみです。
原因ごとにそれぞれ適した対策を見ていきましょう。
【対策】原因その① 施工前の整地が甘かった
除草や石の処理と併せて、枯れ葉や落ち葉も必ず除去しましょう。
地面のデコボコもきちんと均し、虫の入る隙間がないように施工してください。
整地前、下地をきちんと整えることは水はけへのアプローチにもなります。
【対策】原因その② そもそもの地盤が虫にとって最高の土
そもそも虫の住みやすい環境なら、普段から虫が多いかと思われます。
施工前は虫をできるだけ駆除してください。
あまり数が多いようでしたら業者に依頼しましょう。
虫を駆除したら、必ず「防草シート」を敷きましょう。
防草シートは隙間を無くすためだけでなく、遮光率の高い素材で下に生えていた雑草の光合成を防ぎます。
光合成が行えないと雑草は育たず、最終的には枯れていきます。
「エサ」である雑草が育たない場所には、虫も住み着きません。同時に「太陽光を好む種類の虫」への対策にもなります。
防草シートを並べて敷く場合、防草シート同士を10cm以上重ねて敷くことでシートとシートの隙間から雑草が生えるのを防ぐことができます。
【対策】原因その③ 水はけ対策をしていなかった
「原因その① 施工前の整地が甘かった」でもあるように、まずは地面の凹凸をなくし均一に均しましょう。
転圧機などの特別な道具の準備は不要です。足で踏んで地盤を固めるイメージで行いましょう。
そうすることで、雨水が溜まりにくくなりジメジメした湿気を好む虫は寄り付かなくなります。
それに加えて、裏側に「透水穴」が空いている人工芝を選びましょう。
当店の「ふわふわターフ」にはこの「透水穴」が空いており、その穴が雨水や湿気を逃がす役割をしています。
この「透水穴」はコンクリートの上に施工する際も蒸れをため込まないのでおすすめです。
透水穴が空いて入ればたとえ庭の地面やバルコニーの床に固定していても水洗いができますので、虫を対策しながら清潔に保てます。
【対策】原因その④ 掃除をしていなかった
定期的に上に積もった埃や砂、落ち葉などを除去してください。
ホウキやブラシなどで掃くか、コンセントの届く場所なら掃除機で吸っても効果的です。
芝生の根元まで入ってしまった泥などは、水洗いで解決します。
天然芝のようなサッチング(枯れた芝を取り除く作業)は不要ですが、汚れていない部分も芝生の毛足を立たせてあげるようにブラッシングすると長持ちしますよ。
【対策】原因⑤ 近くに植木鉢やプランターがある
ホームセンターなどで販売している植物には無害な防虫剤を使う、近くに置き型の虫除けを置く、虫が嫌うハーブを一緒に植える などの処置をとって鉢植えやプランター下の虫対策をしてください。
有機肥料を使用しているとコバエが来やすくなるようですので、使う肥料も価格と相談して一度見直してみましょう。
このように、「最初の人工芝選び」「下地の整地」「定期的な掃除などのお手入れ」さえきちんと行っていれば人工芝を敷いて虫が増えることはまずありません。
「人工芝を敷いたら虫がわいた」という方は、こういったお手入れ方法を知らなかったというだけなのです。
まとめ
いかがでしたか?
正しく施工し、定期的なお手入れさえしていれば人工芝に虫がわくことはありません。
今回のポイントを簡単におさらいしましょう。
- 人工芝が直接的な原因となって虫がわくことはない。
- 施工前、下地の整地をしっかりと。凹凸をなくし均一な地面に。
- 「石」「雑草」「ゴミ」に加えて、「落ち葉」「枯れ葉」もしっかり除去。
- もともと虫の多い場所に施工する場合は人工芝の下に「防草シート」を敷く。
- 虫の駆除も忘れずに。多すぎる場合は業者に依頼する。
- 水はけ対策に、「透水穴」の空いている人工芝を選んで購入する。
- 施工後も、ホウキやブラシなどで定期的な掃除を。
- 近くにプランターや畑がある場合は植物に影響のない防虫剤を使うか、虫が嫌うハーブを一緒に植える。
以上7つの点を意識して管理し、虫を寄せ付けず清潔な人工芝を長持ちさせてくださいね。