人工芝と天然芝のメンテナンスについて
人工芝と天然芝を比べるとメンテナンス(お手入れ)の違いがたくさんあります。
人工芝と天然芝、どっちがいいか悪いか、どっちが向いているか不向きかは、お庭の環境とお手入れを楽しめるかどうかでご自身が決めることです。
「メンテナンス」とひとくくりにしていますが、具体的にどんなメンテナンスが必要なのか?
人工芝はメンテナンスが楽、天然芝はメンテナンスが大変、は本当にそうなのか?
今回は、人工芝と天然芝のメンテナンスについて詳しくご紹介します。
メンテナンスのことを理解していただいたうえで、自分にはどちらが向いているかを決める材料の1つにしていただきたいと思います。
【天然芝のメンテナンス】
天然芝のメンテナンスといえば? パッと思い浮かぶのは
- 水やり
- 芝刈り
がメインですよね。
もちろん水やりも芝刈りも大事なメンテナンスですが、メインではないからこそ知識が必要なメンテナンスは以下の作業ではないでしょうか。
- 肥料やり
- 目土入れ
- エアレーション(通気作業)
- サッチ(枯れ芝)取り
- 除草、草むしり
メインの水やり、芝刈りに加え最低限このメンテナンスを行わないと、せっかく天然芝を張っても数年後には生育不良になり、しまいには芝生の残骸と雑草が生えた悲しいお庭になってしまいます。
そうならないために、時期にあったメンテナンスを正しく行うことが重要です。
参考までに、天然芝の年間メンテナンススケジュールをご案内します。
天然芝の年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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芝生張り | ||||||||||||
梅雨までに行う | 残暑が終わったら行う。 ※冬は芝張りをしても根は生長しない。 |
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目土入れ | ||||||||||||
年に1回は必要。芝張り後、芝刈後に行う。 | ||||||||||||
水やり | ||||||||||||
芝張り後、根が張るまで(1ヶ月ほど)が大事!夏場はたっぷり与える 葉先が丸くなってきたら危険信号 |
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肥料 | ||||||||||||
少ない量をこまめに与え、施肥後は散水する猛暑日は肥料焼けを起こしやすので避ける | ||||||||||||
刈り込み | ||||||||||||
5月~10月に1回~4回/月が目安 生育旺盛の夏は1回//週がおすすめ 1.5cm~3cmの高さが理想 |
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通気作業 | ||||||||||||
芝生に穴をあけ土中に空気を入れる その穴に目土を入れ、たっぷりと散水する 年に1回は行う(生育旺盛な夏がおすすめ) |
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サッチ | ||||||||||||
刈りカスは病気や枯れの原因になるため取り除く | ||||||||||||
除草 | ||||||||||||
除草は手取りが原則 小さいうちに地下茎ごとこまめに取り除く | ||||||||||||
病気・害虫対策 | ||||||||||||
害虫・病気が見付かれば殺菌剤・殺虫剤を撒く コガネムシ、ヨトウムシ、シバツトガの幼虫の発生には注意 |
天然芝のメンテナンスに必要な資材と道具
- 芝生の床土・目砂
- 芝生専用肥料
- 散水用器
- 芝刈り機・芝生専用鍬・バリカン
- 通気道具(芝生に穴をあける道具:スーパーローンカッター等)
- 熊手、ほうき
- 芝生専用除草剤
- 殺虫剤、除菌剤
綺麗な天然芝のお庭を持続させるためには、年間を通してこれだけのメンテナンスが必要です。
さらに、芝刈り機や通気道具など高価な専用の道具も必要になります。
ちょっと困ったときに気軽に相談できるガーデニング屋さんが近くにあると安心ですね。
人工芝のメンテナンス
次に、人工芝のメンテナンススケジュールをご紹介します。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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人工芝張り | ||||||||||||
いつでもOK | ||||||||||||
ゴミ・落ち葉の除去 | ||||||||||||
都度 ほうき、熊手、掃除機、ブロアー等で除去する | ||||||||||||
芝の倒伏 | ||||||||||||
都度 ほうきや熊手、手袋で撫でて逆立てる | ||||||||||||
飲料水などの汚れ | ||||||||||||
都度洗い流す | ||||||||||||
ペットの糞 | ||||||||||||
都度 固形物は取り除き、洗い流す | ||||||||||||
油、ガソリンなど揮発性油 | ||||||||||||
都度 布でふき取り、洗い流す | ||||||||||||
除草 | ||||||||||||
人工芝施工前 お庭の場合、防草シートを貼るのがオススメ |
人工芝のメンテナンスに必要な資材と道具:
- 熊手、ほうき、掃除機
- 散水用器
- 防草シート
ご覧の通り、人工芝のメンテナンスはいつこの作業をしなければいけないという決まりはありません。
気になった時にその都度すればいいのです。
使用する道具も安価で、人工芝専用に用意する必要はなさそうです。
さいごに
人工芝と天然芝のメンテナンスにかける手間と時間は全く違います。さらに、必要な資材や道具も違います。
言い換えると、それだけ天然芝は育てる楽しみがあり育て甲斐があるということです。手間をかけた分、愛着もわきます。
それに比べ、人工芝はメンテナンスも簡単で楽。効率よく緑のお庭が続きます。
「お庭を居心地よい場所にしたい」という目的はどちらも同じです。
その目的を実現させるために、自分に合った芝生を選んでください(*^-^*)
ちなみに我が家は築7年。
7年前、「お庭=天然芝」という考えだったころ、芝生のメンテナンスといえば水やりと芝刈りでした。
エアレーション? そんなのしたことありません。
目土入れ? 何のために土を入れるの?
肥料? 自然の力で育つよね?
と、驚くほど知識が乏しく。それでも最初の3年くらいはきれいな芝生が続くのです。それが余計、これでいいんだという思い込みにつながりました。
しかし、年数が経つにつれ生育が悪くなり、調べてみるとこんなにメンテナンスが必要だということが分かりました。
そして今年、人工芝に貼り替える決断をしました。
もちろん、もう一度天然芝に挑戦しよう!という選択肢もありましたが、やはり今の自分にピッタリなのは人工芝。
子育てが落ち着き、いつかまた天然芝を育てることが楽しいと思える時間がくることを願っています・・・